ハンセン病患者とされた男性が隔離施設の特別法廷で裁かれ、死刑となった菊池事件について考える講演会が22日午後2時から、オンラインで開催される。元患者でハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会事務局長の竪山勲さんが、同事件で得た教訓を語る。出所者の社会復帰を助けるNPO法人マザーハウス(五十嵐弘志代表、東京都墨田区)が企画した。
菊池事件では、1952年に熊本県で発生した殺人事件をめぐって殺人罪に問われた男性が、隔離先の療養所などに設置された特別法廷で死刑判決を受け、無実を訴えながら62年に死刑を執行された。竪山さんら元患者が原告となった国賠訴訟では、賠償請求を退けたものの、特別法廷の審理を違憲とした熊本地裁判決が昨年3月に確定している。
国立ハンセン病資料館が今年、らい予防法廃止25年を機に企画した連続講座で、社会に求めることを問われた竪山さんは、「やはり風化させてはいけない。らい予防法がどういう傷跡を残したのか、そのことによって何がどうなったのかを学ぶことが、これから先を生きていく人たちの幸せな方向につながっていく」と話す。