米国務省は、世界各国の信教の自由の状況に言及した国際信教自由度報告書を毎年出しているのだが、今年のレポートには、この課題でも幾度か取り上げた、気球を飛ばして聖書やトラクトを北朝鮮に運ぶ韓国の宣教団体「殉教者の声・韓国」(VOMK)についての記載があった。
これについては、同団体の代表であり牧師のエリック・フォーリー氏は、全く予期していなかっただけに、非常に驚いたという。彼は国務省に対して、何の情報提供もしなかったが、報告書は非常に正確だったと言及した。
取り上げられた問題は、フォーリー氏らが行っていた気球打ち上げや、米びつの打ち上げに対する韓国政府の介入に関わるもので、報告書では、これらの活動に対して韓国政府のとった対応が、VOMKに認められている信教の自由を侵害している可能性があると示唆していた。
しかし当事者の彼自身は、韓国政府の対応が自分の信教の自由の侵害に当たるかどうかについて、考えたことさえなかったと言っている。
これについて彼は「なぜなら私たちの奉仕は、まさしくキリストの自由に根ざしているからです。キリストにある私たちの自由は、政府によって保証されることも、制限されることもできません」と述べた。
フォーリー氏によると、韓国でも北朝鮮でも、憲法上の信教の自由は認められているにもかかわらず、今年の3月に施行された現行法によって、国境を越えて気球で聖書を送る働きは全て非合法の扱いになってしまったという。しかし神は、気球に代わる道を開かれ、VOMKは聖書朗読と福音宣教のラジオ短波放送を新たに立ち上げることができた。また、気球に頼らない方法で聖書を届けるルートも開かれ、昨年は実に電子と紙のリソースで合計2万3千冊近くの聖書を届けることができたのだ。哀れみ深い神の計らいに感謝しよう。
彼らは「VOMKが困難な状況を乗り越え、北朝鮮の教会に奉仕していくための知恵が与えられるようにお祈りください」と要請している。彼らの宣教に、知恵と支援が与えられ、さらなる道が開かれるように祈っていただきたい。
■ 韓国の宗教人口
プロテスタント 35・3%
カトリック 9・2%
仏教 23・7%
儒教 2・7%
イスラム 0・3%