長崎の教会群とキリスト教関連遺産の構成遺産の一つである出津(しつ)教会(長崎市西出津町)で13日、教会を飾るイルミネーションの点灯式が行われた。同遺産の世界遺産登録を支援するNPO法人「世界遺産長崎チャーチトラスト」から約1万個の電飾を提供され、1972年に長崎県文化財に指定されて以来の初めてのイルミネーションとなった。西日本新聞などが伝えた。
イルミネーションの色は青色で、同紙によれば、江戸時代の弾圧下でも静かに受け継がれてきた同教会がある外海地区の信仰をイメージしたものだという。当日は、地元の子どもたち約50人が集まり合図ととに点灯、白色の教会と青い光が清らかな一夜を飾った。
イルミネーションは来年1月中旬まで続き、毎日午前5〜7時、午後5〜10時に点灯される。
同教会は1882年(明治15年)、フランス人宣教師のド・ロ神父により建設された。同教会がある外海地区は、徳川幕府が禁教令が出した時代からキリシタンが多く、未だに地区内には隠れキリシタンが存在すると言われている。
また同教会は、百合学院、聖トマス大学などの創立者で、カトリック新聞初代社長などを務めた田口芳五郎枢機卿、元長崎大司教の里脇浅次郎枢機卿のほか、多数の聖職者を輩出してきた教会でもある。