米国のジョージ・ブッシュ大統領は8日、同国のテレビ局ABCが放送する番組「ナイトライン」で、神による世界の創造が進化論を証明する科学的立証と相容れないことはないと語り、聖書と進化論は矛盾しないとの見解を語った。また、神が独り子をお与えになったという新約聖書のように(聖書から)多くのことを学ぶことができるとしながらも、自身は聖書を逐語的には読まないとの立場を示した。AP通信が伝えた。
同通信によれば、インタビューで創造と進化について問われた大統領は、「私はただの大統領に過ぎないが、しかし、私は神が地球をつくり、この世界を作ったと思う。世界の創造というのは非常に神秘的なもので、全能の力を持つ何かが必要だと思う。そして、これらの考えは進化があったとする科学的立証と相容れないことはないと思う」と語った。一方で、「進化論では生命の神秘をすべて説明することはできないと考えている」とも語った。
インタビューでは、聞き手役であったシンシア・マクファデン氏が聖書が逐語的に正しければどうかと質問したが、これに対して大統領は「ご存知のとおり、恐らく違うと思う。私は直解主義者ではない。しかし、(聖書から)多くのことを学ぶことができる。新約聖書を例に挙げれば、ご存知のとおり、最も重要な教えは『神がひとり子をお与えになった』ということだ」と応じた。
また、「私の人生における全能者の神秘について説明したり証明したりすることは私には困難なことだ」「ただ言えることは、私が宗教に立ち返って、その後すぐにアルコールをやめることができ、またそこに救いを求めたということだ」と自らの経験を語った。
一方、イラク戦争についても言及し、「(イラク戦争を)宗教の戦争だとは考えていない」「米国民を被害から守る必要に基づいて決定を下した」などと語り、同戦争に関する決定において自身の宗教的信条は関係していないとした。