米カリフォルニア州サンディエゴのメガチャーチ「ロック教会」は18日、コロナ禍による長期閉鎖を経て、約1年ぶりとなる屋内での対面礼拝を行った。対面礼拝はサンディエゴ郡内の4つの会堂で行われ、合わせて5千人以上が参加。オンラインでも約30万人が視聴した。同教会のマイルズ・マクファーソン牧師は、約1年ぶりの対面礼拝について「まるで感謝祭かクリスマスのよう」と感動をあらわにした。
「1年がたちました。そして、われわれは戻ってきました!」 マクファーソン牧師はメッセージの冒頭、拍手をし、両手を挙げ、歓声を上げなら対面礼拝の再開を喜んだ。「すべての会衆、すべての聴衆に神の祝福がありますように。皆さんの忍耐と深い信仰に心から感謝します。新型コロナウイルスが来ましたが、われわれは倒されませんでした。神は教会をとめません。われわれは戻ってきました。これは本当に感動的なことです」
マクファーソン牧師は対面礼拝の再開を喜ぶ一方、コロナ禍により多くの人が被った喪失を認め、それを受け止めることにも時間を割いた。
「昨年、われわれは多くのことを経験しました。多くの人が愛する人や職を失いましたが、神は皆さんを支えてくださいます。われわれが『再開』と名付けた新シリーズで話しているように、神は皆さんを支えてくださり、捉え続けてくださるでしょう」
ロック教会は、カリフォルニア州当局が強制的な制限を解除するまで屋内での対面礼拝を中止してきた。マクファーソン牧師は礼拝後、地元のサンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙(英語)の取材に応じ、「われわれの家族が戻ってきたのを見るのはとても素晴らしいことです。家族と再会し、関係が再構築される喜びは、まるで感謝祭やクリスマスのようです」と語った。
一方、新型コロナウイルスは人命を奪っただけでなく、それによって生じた社会的孤立により、会衆から人間関係を奪ってしまったと述べた。
「われわれは、お互いがお互いをどれだけ必要としているかを分かっていません。お互いの目を見たり、顔や表情を見たりすることがいかに必要かを。われわれは、お互いの関係のためにつくられているのです。それが取り去られ、それに慣れてしまうと、われわれは何かを失ってしまい、それを取り戻すまでは失ったものに気付かないのです」
カリフォルニア州では複数の教会が礼拝の人数制限に対し法的異議を申し立ててきたが、州政府は12日、約1年ぶりに礼拝に対する強制的な制限を解除。礼拝場所や礼拝の参加人数に対する制限を「強制」から「強い勧告」に移行すると発表した。
米連邦最高裁は2月、カリフォルニア州が州内の幾つかの郡で屋内礼拝を完全に禁止している措置に対し緊急差し止め命令を出した。これを受け、同州のギャビン・ニューサム知事は屋内礼拝に関するガイドラインの見直しを余儀なくされた。一方、この差し止め命令は、歌唱制限や参加人数を25パーセントにまで制限するという規制については継続して認めるものだった。しかし今月9日、連邦最高裁が家庭内の聖書研究およびその他の形式の礼拝に対する州の規制に対し違憲判決を下したことで、州政府は屋内礼拝に対するすべての強制的な制限を解除した。
ロック教会は、一部の小規模な会堂では現在も屋外での礼拝を継続している。また、屋内の対面礼拝を再開した4つの会堂でも、入場者は50パーセントに制限し、参加希望者には毎週の出欠確認を推奨している。建物への入場時にはマスクの着用が求められ、検温も行われるが、着席後はマスクを外すことが許されている。この他、可能な限り接触を避けるため、バッグや財布などの所持品は持参しないよう呼び掛けられており、会堂内では水以外の飲食は許されていない。