カトリックソウル大司教区の前大司教で、韓国人2人目の枢機卿であったニコラス鄭鎮奭(チョン・ジンソク)枢機卿が27日、老衰のため死去した。89歳だった。
鄭枢機卿は1931年、京城府(現ソウル)生まれ。61年司祭叙階。70年に清州(チョンジュ)教区の司教となり、98年から2012年までソウル大司教を務めた。06年には、ローマ教皇ベネディクト16世(当時)により、故・金寿煥(キム・スファン)枢機卿(1922~2009)に次ぐ韓国人2人目の枢機卿に任命された。
鄭枢機卿の死去により、存命中の韓国人枢機卿は、現ソウル大司教の廉洙政(ヨム・スジョン)枢機卿1人となった。
韓国の聯合(れんごう)ニュース(日本語版)によると、テモテの洗礼名を持つカトリック信者の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、自身のSNSに追悼のコメントを投稿。「私たちに『分かち合いと共生』の大きな教えを残し、『最も重要なのは金より人を中心とした政策』という言葉は国民の胸に深く刻まれた」とつづった。