昨年9月の課題で、独裁的なルカシェンコ大統領の再選と今後の懸念を載せたが、2月17日、その懸念する事態が起きてしまった。
首都ミンスクにある聖霊派のニューライフ教会で、数人の信者が祈りをささげていたところ、警察や市当局役人ら数十人が、教会入り口の錠前を破壊して強制立ち入りし、許可されていない建物の使用であるとして信者らを追い出すという事件が発生した。
同教会のゴンチャレンコ牧師は、「われわれはこの国の大いなるリバイバルのために祈っていました。昨年の大統領選挙以来、ミンスクを含むベラルーシ全土で信教の自由が侵害されています。ソ連時代は終わったというのに、現代ベラルーシでこれほど不公正な状況に直面したのは、これが初めてのことです」と話している。
地元の役人は教会に反対的で、宗教施設としての登録を許可せず幾度も教会を閉鎖しようとした。しかし信者らは、人の環を作って教会を囲み守ったこともあった。しかし同牧師は、今回の強硬は今までとは違うものだと言う。
昨年のルカシェンコ大統領再選に対して、民衆の抗議デモは今も続いているが、同教会はデモに対する政府対応を批判して、民主主義国家を願うビデオを作成した。今回の強制退去処分は、これに対する報復的側面を否定できない。
同国フルゴスペル同盟、福音派連合は事件2日後に、教会の立ち退きに関する共同声明を連名で出し「私たちは、このような行為は宗派に関係なく、どのような教会共同体においても容認できないと考えます。当局の役人は、コミュニティーの代表者と同盟の牧師と共に、当事者すべてに受け入れられる解決策を探るべきです」と訴えた。
ゴンチャレンコ牧師は、「私たちは国のリバイバルのために祈っています。国民は、この悪とうそにうんざりしています。われわれも、国民として立ち上がる準備があります。人々は政府を排除したいということだけではなく、非キリスト教徒を含む多くの人々が優しさと公正さを求めているのです」と話した。
彼は、世界中のクリスチャンに祈りを呼び掛け、「神がこれらの始まりを祝福し、超自然的な方法で人々が神に立ち返り、主にある唯一の希望を見いだすことができるように」と求めている。
ベラルーシでは昨年の大統領選以来、不正選挙を叫ぶ多くの民衆らの抗議デモが続いている。一方で政府側は、弾圧の手を緩めない。この地の平和とリバイバルのために祈っていただきたい。
■ ベラルーシの宗教人口
正教関係 57・8%
プロテスタント 2・2%
カトリック 10・5%
無神論者 28・1%
ユダヤ教 0・5%
イスラム 0・6%