【CJC=東京】イスラエルの軍と警察は12月4日、占領地ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ヘブロンで、1軒の建物を違法に占拠していた約200人から250人の過激なユダヤ人の入植者らを強制排除した。入植者は投石などで抵抗。当局は催涙ガスで応戦し、双方の計約35人が負傷した。
入植者らはこの建物をパレスチナ人所有者から購入したとして、07年3月から住み着いていた。ただパレスチナ人側は売却を否定している。イスラエル最高裁は11月中旬、所有権を認めず明け渡しを命じていた。
入植者の多くはユダヤ教正統派で、入植を「神に与えられた『祖先の地』への帰還」と正当化。付近のパレスチナ人住民と衝突を繰り返す一方、最近では強制排除を阻止しようとして、当局に対しても暴力を激化させていた。
入植者たちの暴力や家屋占拠が頻発するヘブロンで、入植者の強制排除が行われたのは06年5月以来。
ヘブロンでは4日夕から夜にかけ、極右ユダヤ人の若者グループがパレスチナ人に発砲や投石を繰り返し、AP通信によると、パレスチナ人計17人が負傷した。極右グループはまた、パレスチナ人の家屋数戸や車両などに放火した。強制排除に反発し、騒ぎを起こしたと見られる。ヘブロン以外の西岸の数カ所やエルサレムで、極右グループが通行車両に投石し、20人以上が拘束された。