英国のエリザベス女王の夫であるエジンバラ公フィリップ殿下が死去したことを受け、同国内の教会指導者らが相次いで哀悼の意を表明した。教会指導者らはその功績をたたえ、女王の配偶者として70年近くにわたって献身的に奉仕してきたことに感謝するとともに、フィリップ殿下を失った英王室のために祈りをささげた。
ギリシャ生まれのフィリップ殿下は1947年、当時の英国王ジョージ6世の第一王女であったエリザベスと結婚。以来73年にわたって夫として連れ添うとともに、エリザベスが52年に女王として即位してからは、英国史上最も長く国王(女王)に連れ添った配偶者として忠実に仕えた。99年にわたったその生涯の最後は、ロンドン近郊のウィンザー城で迎え、9日朝にエリザベス女王が見守る中、静かに息を引き取った。
フィリップ殿下の死去を受け、英国国教会の首席聖職者であるカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは、「莫大な」遺産を残した「並外れた」人物だったと称賛。「彼は常に自分の利益よりも他人の利益を優先し、そうすることで、キリスト教奉仕の優れた模範を示しました」と語った。
また、英公共放送BBCの取材には、フィリップ殿下は「非常に深い信仰の持ち主」であり「並外れた預言的賜物」を持っていたと述べ、「気候変動や異宗教間対話など、彼は多くの分野で何十年も先を行っていました」と語った。
10日に放送されたBBCラジオの番組でも、自身のキャリアや地位を脇に置き、エリザベス女王の影で何十年にもわたって奉仕してきたフィリップ殿下に言及。「彼は、すべての人に自分に従うよう呼び掛けているキリストの模範に従ったのです」と述べた。
英カトリック教会トップのビンセント・ニコルス枢機卿は、この「悲しみと喪失の時」に英王室のために祈ると約束。フィリップ殿下は「不動の誠実さと喜びのうちに義務を果たすことの模範」であったとし、その存在は「いのちと活気に満ちていた」と述べた。
この他、英国バプテスト連盟や英国メソジスト教会、救世軍など、同国内のさまざまな教派の教会指導者が哀悼の意を表明。英王室のために祈りをささげるとともに、これまで長きにわたって献身的に奉仕し続けてきたフィリップ殿下に感謝の言葉を贈った。