米国のジョー・バイデン大統領は6日、新型コロナウイルスのワクチン接種会場としてチャペルを開放しているバージニア州の神学校を訪問した。この日行った演説でも訪問について触れ、全米で行われている宗教施設と医療機関の連携の一つだとし、「米国の最高の例」だと称賛した。
米宗教専門のRNS通信(英語)によると、バイデン氏が訪問したのは、首都ワシントンに近い同州北部アレクサンドリアにあるバージニア神学校。聖公会系の神学校で、地元の非営利団体が運営する保健センターと連携し、2月上旬から校内のチャペルをワクチン接種会場として開放している。接種は保健センターに通う患者やその家族たちを対象に、週2回1日に平均300回行われているという。
バージニア神学校のイアン・S・マーカム学長は声明(英語)で、「私たちのチャペルはこの状況の中、少し違った形ではありますが福音を伝え続けています」とコメント。「今回の大統領の訪問は、このパンデミックの中、人々が健康で安全に過ごせるように、信仰を基盤とした組織が近隣の保健組合と協力していることを祝うものです」と語った。
訪問後にホワイトハウスで演説を行ったバイデン氏は、このような保健センターに通う患者の3分の2が貧困層で、6割は民族的、人種的なマイノリティーだと説明。「最も困っている人々のために、特にあらゆる人種、背景、立場の高齢者へのワクチン接種に力を入れつつ、人々が信仰の違いを超えて協力しています。これは米国の最高の例です」と語った。
RNS通信によると、米国ではオクラホマ州やノースカロライナ州、首都ワシントンなどで、宗教施設と医療機関が連携し、高齢者のワクチン接種のための臨時クリニックを開設している。