ミャンマーで1日、軍によるクーデターが発生したことを受け、キリスト教団体は懸念を表明し、拘束されているアウン・サン・スー・チー国家顧問らの解放を求めるとともに、国際社会に必要な行動を取るよう呼び掛けた。
国際人権団体「世界キリスト教連帯」(CSW)の東アジア担当シニアアナリストであるベネディクト・ロジャーズ氏は、クーデターで拘束されたスー・チー氏やウィン・ミン大統領、その他の民主化推進派指導者の「即時かつ無条件の解放」を求めた。
「この数日の出来事、特にこの24時間の出来事は、ミャンマーにとって絶望的な後退です。われわれは、すべての側が意味のある対話、平和的な協議、交渉に従事することを強く求めます。すべての側が前進に向けた道筋に合意することができるよう、国際的な調停を求めます」
ロジャーズ氏はそう述べた上で、もしそうならない場合、国際社会はミャンマーの軍指導者とその関連企業、およびそれらの企業への海外からの投資に対して、「可能な限り最も厳しい」制裁を課すべきだと主張した。
「もし軍が10年以上前の政治的弾圧に逆戻りするのであれば、国際社会はそれに応じて対応し、ミャンマーは最近やっとはい出てきたばかりの孤立した暗黒時代に逆戻りするでしょう。こうした厳しい警告があるべきです」
「これは誰の利益にもならず、それ故、われわれはすべての当事者にこの危険な状況から戻るよう促さなければなりません」
米迫害監視団体「国際キリスト教コンサーン」(ICC)の東南アジア地域マネージャーであるジーナ・ゴー氏は、クーデターは「非常に憂慮すべきもの」であり、ミャンマー軍が憲法や「苦労して勝ち取った民主主義」に対し「ほとんど敬意を払っていない」ことを示していると述べた。
その上でゴー氏は、「国際社会は、東南アジアの国が権威主義的な軍事政権時代に逆戻りしないよう、その野蛮な行動に立ち向かうべきです」と訴えた。