【CJC=東京】米カトリック系CNA通信によると、修道会「イエズス会」のアドルフォ・ニコラス総長は、解放の神学が「信任」されていないことに失望する、としてその是非についての論議は慎重にして、円熟するのを待つべきだと語った。
スペインの新聞「エルペリオディコ」とのインタビューで述べたもので、ニコラス神父は、解放の神学が「ラテンアメリカ(中南米)にある不正の耐えられない状況に対して勇敢で創造的な反応である。あらゆる神学と同様、円熟するには時が必要だ。それが「信任」を得られないのは、飛ぶことを学ぶ前に翼が切られるような恥辱だ」と言う。
インタビューの中で、ニコラス神父は、イエズス会士が減少していることは認めたものの、イエズス会がなおカトリック教会の中で「最も神学上、教義上で目に見える集団」であり、「より多く注目されるのは当然」だと語り、教皇がイエズス会のことを懸念しているかもしれない、とほのめかした。
イエズス会士が「他の修道会を見下している」と思われがちなことを聞かれて、ニコラス神父は、「それは私たちの弱さであり、例外的なことではない」と語った。イエズス会では、いつも活動の質と詳細な構成を重視することをいつも強く主張したという事実から来ることだとして、「私たちが人間であり、その機能が私たちに与えられているということに気がつかないことは問題だ」述べた。
社会政策に関連した問題で教会に向けられるスペイン政府の「敵意」について、ニコラス神父は「私は日本に長く滞在していたので、ある程度の世俗主義の雰囲気には慣れている」として「社会主義政権も未熟だと思う。失業、教育、移民問題が重大な時に、教会との関係について悩むことで時間が浪費されていると思う」と言う。