長崎市で24日、日本で初めてとなる「列福式」が行われた。国内外から集まった約3万人の信徒らが見守る中、ローマ教皇代理のジョゼ・サライバ・マルティンス枢機卿が江戸期の殉教者188人の列福を宣言した。
今回列福されたのは、遠藤周作の小説「銃と十字架」にも登場し、「世界を歩いた神父」として知られるペトロ岐部(1587〜1639)、天正遣欧使節の1人としてローマを訪問したジュリアン中浦(1568〜1633)、大阪最後の宣教師とされているディオゴ結城(1574〜1636)ら江戸期の殉教者たち。
式典では、マルティンス枢機卿が教皇の書簡を読み上げ、ラテン語で「使徒的権威によって福者の列に加えます」と宣言。信徒らが祈りや聖歌をささげる中、殉教者たちを描いた縦8メートル、横6メートルの肖像画が除幕され、188羽のハトが放たれた。
これで日本の福者は、1867年に列せられた205人に加えて393人となった。