米国のドナルド・トランプ大統領は7日、ホワイトハウスから短い動画メッセージ(英語)を発表した。前日6日にあった連邦議会議事堂の占拠事件を非難するとともに、昨年11月の大統領選をめぐるすべての手続きが終了し、民主党のジョー・バイデン前副大統領が次期大統領として確定したことを受け、現在の焦点はスムーズな政権移行にあると語った。
トランプ氏は、議事堂の占拠は「米国の議会に対する凶悪な攻撃」だとし、「すべての米国民と同じように、私は暴力、無法、騒乱に憤慨しています」と非難した。その上で、「米国は法と秩序の国であり、常にそうでなければなりません。議事堂に侵入したデモ隊は、民主主義国家としての米国の座を汚しました。暴力と破壊の行為に従事した者たち、あなたたちは私たちの国を代表していません。そして、法を破った者たちは、その償いをすることになるでしょう」と述べた。
そして、大統領選について言及。「私たちは熾烈(しれつ)な選挙を経験したばかりで、感情は高ぶっています。しかし今は、感情を冷やし、冷静さを取り戻さなければなりません」と求め、「私たちは、米国が取り組むべきことに取り掛からなければなりません」と語った。
「私の選挙運動は、選挙結果に異議を唱えるためのあらゆる法的手段を精力的に追求しました。私の唯一の目標は、投票の誠実性を確保することでした。そうすることで私は、米国の民主主義を守るために戦ってきました。私はすべての有権者の身元と適性を確認し、将来のすべての選挙の信頼性を保証するために、選挙法を改革しなければならないと強く信じています」
その上で、「今、連邦議会は選挙結果を認定しました。新政権は1月20日に発足します」と言明。これまで大統領選における敗北を認めない立場を貫いてきたが、「今の私の焦点は、スムーズで秩序ある継ぎ目のない政権移行を確保することに移っています」と言い、「癒やしと和解が求められている時です」と訴えた。
新型コロナウイルスについては、「私たち市民の生活を根底から覆しました。何百万人もの人々を自宅で孤立させ、私たちの経済にダメージを与え、数え切れないほどの命を奪いました」と指摘。新型コロナウイルスに打ち勝ち、経済を再建するためには、「私たち全員が協力する必要があります。それには、愛国心、信仰、慈善、コミュニティー、家族に対する市民的価値観に新たな重点を置く必要があります」と訴えた。
「私たちは一つの国の家族として、私たちを結び付ける愛と忠誠という神聖な絆を活性化させなければなりません。国民の皆さん、皆さんの大統領として奉仕できたことは私の生涯の名誉です。そして、私の素晴らしい支持者の皆さん、皆さんが失望されているのは知っています。しかし、私たちの信じられない旅は、まだ始まったばかりだということも知っておいてほしいのです」
そして最後に、「ありがとう。皆さんに神の祝福があるように。そして、米国に神の祝福があるように」と述べメッセージを終えた。