ナイジェリア北東部ボルノ州のキリスト教徒が多く住む村が、クリスマスイブの24日、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」に襲撃され、少なくとも11人が死亡した。
AFP通信によると、襲撃されたのは同州のペミ村で、2014年に女性学生ら270人以上がボコ・ハラムによって拉致されたチボクから約20キロの距離にある。襲撃では少なくとも11人が殺害されたほか、教会が放火され、司祭1人が拉致されたという。民兵組織のリーダーが同通信に語ったところによると、戦闘員らはトラックやオートバイに乗って村に乗り込み、無差別に銃を乱射した。
キリスト教迫害監視団体「オープン・ドアーズ」のサブサハラ担当上級アナリストであるイリア・ドゥジャディ氏は襲撃の数日前、英国クリスチャントゥデイ(英語)に対し、ナイジェリアのキリスト教徒がクリスマスを狙った襲撃を恐れていると語っていた。
「(ナイジェリアの)キリスト教徒はクリスマスの時期に襲撃があることを予想しています。なぜなら、それにはメッセージ性があるからです。こうしたテロリストはよく組織化されており、メッセージの発信を重要視しています。彼らは、ムハンマド・ブハリ大統領が故郷のカティナ州を訪問した際、まさにその訪問中に州内で少年らを拉致する事件を起こしました。彼らは大統領がいる場所でさえ攻撃できるという強いメッセージを、ナイジェリア国民に示すためにそれをしたのです。ですから、そのタイミングは偶然ではなく、最も注目を集めるタイミングとして選んだのです」
ボコ・ハラムの目的は、ナイジェリア北東部にイスラム教のカリフ制国家を築き、シャリア(イスラム法)を確立することだとドゥジャディ氏は言う。
「イスラム教徒ではないキリスト教徒は、主要な標的となっています。過激派は彼らを力ずくでイスラム教に改宗させようとし、拒否すれば、殺すか性奴隷にするのです。彼らはまた、こうした過激なイスラム思想を支持しない穏健なイスラム教徒も攻撃しています」