北朝鮮に向けて、聖書を付けた大型風船を打ち上げる活動をしている米国人牧師が、韓国で起訴に直面している。
迫害下のキリスト教徒を支援する国際NGO「殉教者の声」(VOM)の韓国支部で代表を務めるエリック・フォーリー牧師は、これまで15年にわたって北朝鮮に向けて大型風船を飛ばしてきた。
ミッション・ネットワーク・ニュース(英語)によると、韓国の警察は検察に対し、3つの罪でフォーリー牧師を起訴するよう勧告している。
1つ目は南北交流協力法に関するもの。同法は南北間の通商を規制する法律で、物品を韓国から北朝鮮へ搬出するには、事前に政府の承認が必要だと定めている。
2つ目は国家安全保障に関するものだが、フォーリー牧師は「これらの法律は自然災害の対応のために作られたものですが、現在では風船の打ち上げに関連して、われわれの活動が韓国への国家的脅威を生み出しているとされています」と説明する。
そして3つ目は、風船に使用する高圧ガスに関連したもの。
北朝鮮は6月、脱北者団体が現体制を批判するビラを散布したことで、南北連絡事務所を爆破。韓国政府がこうした活動を容認し続ければ、軍事協定を破棄するなどと脅迫してきた。
VOM韓国は、北朝鮮周辺で人権擁護活動を行っている数十の団体の一つで、現在、韓国統一省から調査を受けている。
米キリスト教誌「ワールド」(英語)によると、フォーリー牧師は風船の打ち上げ場所への立ち入りを禁止され、VOM韓国の事務所やスタッフの自宅も監視下に置かれているという。
フォーリー牧師は、福音が北朝鮮の人々に届くよう、北朝鮮のために祈ってほしいと求めている。
「神は北朝鮮に聖書を届ける方法を知っておられます。私たちは神様が開いてくださる方法に驚いています。それが続くように祈ってください。神に栄光がありますように」