日本キリスト教協議会(NCC)や日本カトリック正義と平和協議会、日本YWCAなどが加盟する「国際人権規約完全実施促進連絡会議」は17日、菅義偉首相が日本学術会議の新規会員候補105人中6人を任命しなかったことについて、6人の任命と、任命を拒否した理由を明らかにするよう求める要望書を送付した。
要望書は、6人の任命拒否について「日本学術会議の社会的使命を阻害し、『学問の自由』への侵害であるとともに、民主主義の根幹をも危機にさらしかねないもの」と批判。すでに500以上の学術団体から、任命拒否の理由説明と6人の任命を求める要望書や声明が発表されていると指摘した。
また、1983年に参議院文教委員会で行われた中曽根康弘元首相の答弁や、同年に内閣法制局が作成した議事録内に収められた「日本学術会議関係想定問答」などの内容から、首相には同会議の指揮監督権はなく、首相による任命は形式的なものにすぎないことを主張している。
要望書は、キリスト教系の3団体に加え、国連NGO国内女性委員会、婦人国際平和自由連盟日本支部、日本汎太平洋東南アジア婦人協会、自由人権協会、女性参政権を活かす会の5団体を含めた計8団体が賛同する形で送られた。