95年の阪神・淡路大震災で被災し、復興のまちづくりに取り組んできた神戸市長田区野田北部地区の歩みを紹介する「震災資料室」(仮称)が、地元のカトリックたかとり教会の敷地内に設置されることとなった。神戸新聞が伝えた。
同資料室は、自治会や商店会、同教会の神田裕神父が理事長を務めるNPOたかとりコミュニティセンターなどの地域団体が参加する「野田北ふるさとネット」が震災復興基金の助成を得て設置するもので、震災から14年となる来年1月の開設に向けて準備が進められている。
震災時、野田北部地区は西半分が大火に見舞われ、東半分も家屋が全半壊するなどの被害を受け、42人が亡くなった。だが震災後、住民が主体となって街路の整備などに取り組んでおり、多くの専門家や学生が見学に訪れている。
見学自由。震災当日の写真やボランティアらの活動記録、紙の柱で造られた集会所「ペーパードーム」の模型などの展示に加え、現在の復興活動を紹介するビデオも用意される予定。同紙によると神田神父は、「建物は新しくなったが、地震を原点に今があることを伝えていきたい」と語った。