東京神学大学教授の小友聡(おとも・さとし)氏(日本基督教団中村町教会牧師)によるシリーズ「それでも生きる 旧約聖書『コヘレトの言葉』」の放送が、11月からNHK・Eテレ「こころの時代〜宗教・人生〜」で再開する。4月に第1回が放送された後、延期となっていた。11月8日に第1回のアンコール放送が行われ、11月15日に第2回が放送される。以降は毎月第3日曜日の放送予定で全6回。放送時間は午前5~6時。再放送は同週の土曜日午後1~2時。
「コヘレトの言葉」は、旧約聖書に収められた12章からなる詩文で、「伝道の書」や「伝道者の書」とも呼ばれる。小友氏は「コヘレトの言葉」研究の第一人者として知られており、日本語書き下ろしの聖書注解書シリーズ「VTJ旧約聖書注解」でも同書を担当。『コヘレトの言葉を読もう 「生きよ」と呼びかける書』の著書もある。
延期が決まった際、「こころの時代」の公式サイトに寄せたメッセージでは次のように語っていた。
「現在、疫病のパンデミックのため、世界は先が見えず、私たちは忍耐も希望も失いかけています。けれども、こういう時にこそ、お伝えしたいことがあります。それは、この世界に何が起こるか予測できないけれど、他者に寄り添い、自分にあるものを分かち合いなさい、と『コヘレトの言葉』が勧めているということです(11章2節)」
本紙で「コヘレト書を読む」(全30回)を連載していた臼田宣弘氏(日本基督教団世真留〔せまる〕教会牧師)も、「コロナで中断されていた小友先生の『コヘレトの言葉』が再開されます。『今を生きよ』というメッセージを楽しみにしています」と述べ、シリーズの再開に期待を寄せている。
シリーズの公式ガイド(税込1012円)は、NHK出版のサイトやアマゾンで購入可能。ガイドには「コヘレトの言葉」の全文のほか、批評家・随筆家でカトリック信者でもある若松英輔氏による特別寄稿「涙の聖典――『私の聖書』に出会うまで」も収録されている。