人口の約95パーセントが仏教徒のタイで今月初め、1日に1435人が洗礼を受ける同国の教会史上最大となる洗礼式が行われた。
洗礼式を行ったのは、農村伝道を主体とするタイ現地の宣教ムーブメント「イエス・キリストにある自由教会協会」(FJCCA)。同国中部ペッチャブーン県チョンデーン郡にある貯水池に今月6日、5県の約200の村から1435人が集まり、牧師20人が2時間かけて洗礼を授けた。
FJCCAを支援する米宣教団体「リーチ・ア・ビレッジ」(英語)によると、洗礼を受けたほとんどの人は、FJCCAを通してこの1年余りの間に初めてイエス・キリストを知ったという。
FJCCAは2016年12月に始まった。当時関係した家の教会は20に満たないほどだったが、現在は770を超えるまでに成長した。昨年も大規模な洗礼式を行い、520人が受洗。今年は新型コロナウイルスによる影響がある中、その3倍もの人々が洗礼の恵みにあずかった。
タイは、発生国の中国以外で初めて新型コロナウイルスの感染例が報告された国だった。しかしその後は、徹底した感染防止策が功を奏し、9月初めに100日ぶりとなる感染例が1例報告されるのみにとどまるほど、感染の抑え込みに成功した。
リーチ・ア・ビレッジのロバート・クラフト会長は、米クリスチャニティー・トゥデイ誌(英語)の取材に応え、タイが新型コロナウイルスの感染拡大を免れたのは不思議だとしつつも、「この重要な時期に福音が広がるようにしてくださったのは、神の憐(あわ)れみ深い御手によると信じています」と語った。
FJCCAは、タイ中部で牧会するタイ人のソムサック・リンナサック牧師が主導している。また、宣教師の両親のもとタイで生まれ、米国でIT会社を経営した後、会社を売却し、タイでの宣教活動に従事しているドワイト・マーチン氏が統計分野で協力している。マーチン氏は、タイのすべての農村に家の教会を立てるビジョンを持っているが、タイではまだ7万5千の農村が家の教会を必要としているという。
リーチ・ア・ビレッジは「神はタイを変えようとしています」と述べ、聖書の提供や洗礼を受けたクリスチャンの訓練のためにも経済的な支えが必要だとして、寄付(英語)の協力を呼び掛けている。