カトリック東京大司教区は14日、新型コロナウイルスの感染拡大防止で求めている教会活動の制限を19日から緩和することを公式サイトで発表した。菊地功大司教は、「現状の教会の感染症対策を的確に行うのであれば、高齢の皆様にも安全にミサに参加していただくことは可能」と述べ、これまで自粛を要請してきた75歳以上の高齢者についてもミサへの参加を認める方針を示した。
他にも、ミサや集会などで一緒に歌うことを控えている聖歌については、広い空間がある場合に限り、聖歌隊などの少数者による歌唱は可能とした。一方、ミサにおける奉納はこれまでと変わらず行わないとした。聖体拝領については、できる限り直前に消毒した手で受けることを推奨しつつも、口(舌)での拝領を希望する場合は、司祭への事前相談を条件に容認する考えを示した。
20人程度までとしていたミサ以外の会議については、通常の室内定員の半分程度であれば、十分な感染症対策をした上で、互いの距離を取り、時間をなるべく短くして行えるとした。また、感染を避けるため聖体授与に携わらなかった75歳以上の司祭についても、司式や聖体授与を行って構わないとした。
一方で、「高齢の方や基礎疾患をお持ちの方に、感染した場合の重篤化の高リスクがあることは変わりません」と指摘。健康に不安のある人、体調の優れない人、外出に不安のある人については「現在のまま自宅でお祈りください」と要請した。
主日のミサにあずかる義務は引き続き当分の間、教区内のすべての信徒を対象に免除される。菊地大司教は、「自宅に留(とど)まられる場合でも、教会共同体に霊的に一致していることを心にとめてください」と述べ、司祭の訪問を希望する場合は遠慮せず主任司祭に相談するよう呼び掛けた。