毎年晩夏から初秋にかけて開催されている「ウォーク・ウィズ・ジーザス」(WWJ)が10日、始まった。旧街道を歩いて伝道する取り組みで、12年目となる今年は、台風の影響で昨年歩き残した鎌倉街道の一部約36キロを、用意した数千枚のトラクトを配りながら2日かけて歩く。
WWJは2009年、日本のプロテスタント宣教150周年を記念して始まった。総動員伝道代表の姫井雅夫牧師と、ファミリー・フォーラム・ジャパンのディレクターであるジョナサン・ベネディクト宣教師が中心となり、490キロに及ぶ東海道を4週間かけて歩いた。その後も継続を望む声があり、中山街道(530キロ)、北陸・北国街道(460キロ)、日光・奥州街道(550キロ)、甲州街道(210キロ)、青梅街道(50キロ)、鎌倉街道(160キロ)と歩き続け、途中200以上の教会を訪問しながら伝道してきた。
今年は当初、昨年歩き残した鎌倉街道の一部(埼玉県寄居町~群馬県高崎市)と三国街道(高崎市~新潟県長岡市)の計230キロを12日かけて歩く予定だった。しかし、新型コロナウイルスの影響で、宿泊先の教会から受け入れが難しいとの連絡があり、昨年歩き残した鎌倉街道の一部のみを歩くことにした。
10日は、前日夜から宿泊していた日本リバイバル連盟寄居チャペル(寄居町)で、朝に出発前の礼拝をささげ、寄居町内の昨年の終着点まで車で移動。そこからトラクトを沿道の一軒一軒に配り、また出会った一人一人に声を掛けて手渡していった。
配布するトラクトは、WWJオリジナルのものと、日野原重明や星野富弘、八木重吉、エリック・リデルなどの生涯が書かれた、いのちのことば社の全国家庭文書伝道協会(EHC)提供のもの。「鎌倉街道を歩きながらお配りしています」と元気な声で話し掛けると、「へー、すごい。お疲れ様です」と言いながら、興味深くトラクトを受け取ってくれる人も多くいた。
鎌倉街道の標識の前で写真を撮影していると、自ら話し掛けてくれる農家の男性もいた。地元でしか知られていないような鎌倉街道にまつわる情報を教えてくれ、参加者がトラクトを渡すだけでなく、男性の痛めた腰の癒やしのために祈る場面もあった。
旧街道に忠実に沿って歩くのも、WWJの醍醐味(だいごみ)の一つ。民家や田畑の間にある舗装されていない道なき道も標識に従って進み、小山川(埼玉県本庄市)のかつて橋が架かっていたという場所では、10センチほどの浅瀬となっている所を選び、歩いて渡る人もいた。
WWJのテーマ聖句は、マタイの福音書9章35~38節。「イエスは、すべての町や村を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣(の)べ伝え」(35節)とあるように、日本各地を巡りながら福音を伝え、さらに地元の教会との交流も大切にして「収穫のための働き手」(38節)が各地で起こされるように祈ってきた。この日も道中の教会に立ち寄り、留守ではあったものの、教会の祝福と、教会がその地で用いられるように祈るひとときを持った。
2年前から参加しているという東京在住の70代の男性は、次のように語った。
「イエス様と共に歩むというのが、自分のクリスチャンとしてのモットーです。ウォーク・ウィズ・ジーザス(Walk with Jesus)はまさにそれです。普段はこれが二の次になってしまっていることがありますが、こういう機会を通して皆さんと一緒に伝道したいと思っています」
12年間毎年歩き続けている姫井牧師は、「福音を伝えるために、神様からこの地に派遣されていると思って歩いています」と言う。「旧街道を歩き通したことで満足するのではなく、福音が届きづらい地域の人々に、福音を伝えるチャンスを神様が与えてくださったと信じ、奉仕する喜びと使命を感じながら歩いています。神様が、まいた福音の種を祝福してくださるよう願っています」
10日夜は福音伝道教団藤岡キリスト教会(群馬県藤岡市)で宿泊し、11日は高崎城を経て、同高崎キリスト教会まで歩く予定。具体的な計画はまだ検討中だというが、来年も開催が予定されている。詳しくは、WWJのフェイスブックを。