キリスト教布教家で同志社創立者の新島襄が米国留学時代に自身の名前を記した聖書が、保管されていたマサチューセッツ州の家庭から同志社大学にこのほど寄贈された。京都新聞が7日伝えた。
同紙によると、聖書は新島が海外への渡航が禁じられていた1864年、日本を密出国した際の協力者である商船の船長の家庭に残されていたもの。船長が新島をマサチューセッツ州の自宅に招いた際、家族のみが署名する家庭用の聖書にサインさせたものと見られる。
聖書には漢字で「日本江戸 新島約瑟」と記されており、「約瑟」は新島が留学時代に名乗っていた名前で、「ヨセフ」の漢字表記だという。
この聖書は、船長のひ孫にあたるアーサー・グレイブス・ブリガム同志社女子大学講師が3年前に故郷で発見。この度寄贈され現在、同志社大ハリス理化学館で展示されている。大学は「新島が留学先で家族的な待遇を受けていたことを示す貴重な資料」としている。