日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)は16日、新型コロナウイルスの感染拡大が続くインドネシアの中部スラウェシキリスト教会(GKST)シナルカシ病院に対し、医療従事者用の防護服や医療用マスク、消毒用アルコールなどの購入と、感染者の隔離施設設置にかかる費用として3550万インドネシアルピア(約26万円)を緊急支援したと発表した。
同病院のあるスラウェシ島中部の町テンテナは、宗教紛争が長く続いたためにインドネシア国内でも開発が特に遅れており、保健医療体制が十分に整っていない。JOCSは1989年、保健医療従事者の不足していた同病院に保健師を派遣したことをきっかけに、奨学金を通じた保健医療従事者の育成を続けてきた。これまでに同病院スタッフの約6割に当たる延べ36人の保健医療従事者がJOCSの奨学金で学び、医師や看護師として働いている。
今回の支援は、同病院が新型コロナウイルスの感染者を受け入れるに当たって医療体制の整備が必要となり、同病院の要請に応える形で行われた。JOCSの元奨学生でもあるフレッツ・レキシ院長からは早速、お礼の手紙が届いたという。JOCSは今後も、感染症対策のための緊急医療活動を実施する協力団体からの支援要請に積極的に応えていくとしている。
JOCSは今回の支援について、「病院のある地域は現在も社会制限の措置が取られており、感染症との戦いはこれからもまだ続きます。必ず終わりが来ると信じ、病院の活動と人々の命が守られ、インドネシアにおいても1日も早く収束に向かいますようにお祈りをお願いします」とコメントしている。