全米で250万枚以上のセールスを記録したクリスチャン音楽の大ヒット曲「I Can Only Imagine」(2001年)の誕生秘話を、人気クリスチャンバンド「マーシーミー(MercyMe)」のリードボーカル、バート・ミラードの半生と共に描く映画「アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌」が、11月13日から日本で公開されることが決定した。
コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(CCM)としては過去最高の売り上げを記録した「I Can Only Imagine」は、作曲者バートの亡き父アーサーへの思いから生まれた名曲だ。暴力的な父アーサーのもとで幼少期を過ごしたバートは、高校時代に歌の才能を見いだされると、ついに父のもとを飛び出し、音楽の道へと進んでいく。父アーサーは、本心ではバートと分かり合いたいと願っているが、その気持ちを素直に表すことができず、バートが去っていくのを止めることができなかった。
ミュージシャンとして順調にキャリアを積むバートだったが、ある日、音楽業界の手痛い洗礼を受けたことで自信を無くし、すべてを捨てて故郷に戻ることに。そこでアーサーは過去の自分を悔い、何とかバートと分かり合おうとする。しかし、バートはその父の思いを信じることができず、いらだちを覚えていた。ただ、アーサーの身に起こっていることを知るまでは――。
2018年3月に全米で公開されると、初日だけで620万ドル(約6億6800万円)、オープニング1週間で1710万ドル(約18億3300万円)の大ヒットを記録。これまでにブラジル、オーストラリア、コロンビア、フランス、ノルウェー、韓国で公開され、米音楽伝記ドラマ映画としては歴代5位となる8570万ドル(91億8900万円)の興行収入を上げている。
監督は、今年3月にも米クリスチャン歌手ジェレミー・キャンプの感動的な実話を描いた映画「I Still Believe」を発表したアンドリュー&ジョン・アーウィン兄弟。主演のバート役を、ブロードウェイの舞台で活躍し、本作が映画デビューとなる新鋭J・マイケル・フィンレイ、父アーサー役を名優デニス・クエイド、ヒロインのシャノン役を「バイオハザードIII」でホワイト・クイーンを演じたマデリン・キャロル、音楽プロデューサーのスコット役を、カントリーシンガーとして活躍するトレイス・アドキンスが演じる。
日本公開版のエンディングテーマ曲を歌うのは、現在米ロサンゼルスの大学に通う20歳のシンガーソングライター DedachiKenta。オフィスオーガスタの新レーベル「newborder recordings」の第1弾アーティストとして2018年11月にデビューし、ファーストシングル「This is how I feel / memories」は洋邦の枠を超え、全国FM29局のパワープレイに選出。19年には、ユーチューブが注目するアーティスト10組「Artists to Watch」にも選ばれるなど、今注目を集める期待の若手アーティストだ。
客演に迎えるのは、DedachiKenta が敬愛するシンガーソングライターの小坂忠氏。日本のソウル・ミュージックとゴスペル・ミュージックのパイオニアとして1960年代から活躍するレジェンドと若き才能との世代を超えたコラボレーションにも注目が集まる。
「『I Can Only Imagine』は日本の教会で歌ったり、家族とのドライブで聴いたりと、以前から親しみのある曲でした」と語る DedachiKenta。日本語版カバー制作に当たり、「素晴らしいミュージシャンであり牧師でもある小坂忠さんとこの曲にまつわるたくさんの話をして、僕はイメージをより膨らませることができました。一緒に歌うこともできてとても光栄です」とコメント。「映画の中で、主人公は愛と出会い、その中に答えを見いだします。心でその愛を受け入れたときに、彼は生きていると感じ、満たされました。日本語版のこの曲を聴いたときに、皆さんも愛について思いをはせ、感じてもらえたらうれしいです」と語った。
「アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌」は、11月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開される。
■ マーシーミー「I Can Only Imagine」映画版公式ミュージックビデオ