古代イスラエルの王ダビデが巨人ゴリアテと戦ったとされる谷を見下ろす丘の頂上で、現在確認されている中では世界最古のヘブライ語と見られる文字の刻まれた陶片が発見されたという。3日付でナショナルジオグラフィックが伝えた。
紀元前10世紀のものと思われる聖書時代最古の要塞があるエルサレム郊外の「エラの谷」。そこで発掘作業を進める考古学者チームが今回5列の文字列が刻まれている陶器のかけらを発見した。放射性炭素年代測定法により発掘現場で採取したオリーブの種の年代を測定し、陶器の破片を詳細に分析した結果、紀元前1000年前後のものであることが判明したという。これは古代イスラエルの王ダビデが生きていたとされる時代と一致する。
研究チームのリーダーでヘブライ大学考古学研究所のヨゼフ・ガーフィンケル氏は、「死海文書以来、イスラエルで最も重要な考古学上の発見だ」と話している。また、研究チームによると、今回発見された文字は、研究者の間で長くその存在が疑われてきたダビデ王と彼の統治する広大な王国の実在を示す証拠となるという。