イエズス会前総長で上智大学神学部元教授のアドルフォ・ニコラス神父が20日、東京都内で死去した。84歳だった。日本での宣教経験が長く、日本や東アジアの貧困・移民問題に尽力した。同大が22日、ホームページで発表した。
1936年スペイン・パレンシア生まれ。53年イエズス会入会。60年、スペインのアルカラ大学哲学部卒業。61年に来日し、67年東京で司祭叙階。68年上智大学大学院神学研究科修了(神学修士)、ローマ教皇立グレゴリアン大学博士課程修了(神学博士)。71年から上智大学神学部で教鞭を執り、85年同学部助教授、88年同教授。専門は秘跡神学、司牧神学。
78~85年、フィリピン・マリアのイエズス会東アジア司牧研究所(EAPI)所長。94~2000年、イエズス会日本管区長。04~07年、イエズス会東アジア・オセアニア地区長。08~16年、イエズス会第30代総長。
現総長のアルトゥロ・ソーサ神父は追悼コメントで、ニコラス神父について「イエズス会の発展に寄与しただけでなく、修道生活全般と教会の向上に多大な貢献をしました」と称賛。一方、「私たちが散漫から献身へと進むように、たゆむことなく励まし続けました」と述べ、昨年7月の来日時に面会したことなどを振り返った。
葬儀ミサは23日午後5時から、カトリック麹町教会(聖イグナチオ教会、東京都千代田区)で行われる。新型コロナウイルスの感染防止のため非公開で行われるが、模様はユーチューブでライブ配信される。また日程は未定だが、追悼ミサも後日行われる予定。
バチカン(ローマ教皇庁)公営のバチカン・ニュース(日本語版)によると、ローマではイエズス会ゆかりのジェズ教会で現地時間同日午前10時半から、ソーサ総長による追悼ミサが行われる。
■ イエズス会のアルトゥロ・ソーサ総長による追悼コメント