日本聖公会東京教区は25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、29日までとしていた礼拝(公祷)の休止を30日以降も継続すると発表した。東京教区の高橋宏幸主教は、「このような時であるからこそ一層、主イエスのご復活された『最初のイースター』、そして、『洗礼の原点・信仰生活の原点』に思いをはせ、黙想の時としたく願います」とコメントした。
発表では、「厳しい苦渋の決断」としつつ、今回の判断に至ったポイントとして、▽感染リスクが高いとされている、公共交通機関利用への対策が教会として十分に取られているか、▽東京教区が大原則とした「人びとのいのちを守ること」「教会としての社会的責任を果たすこと」への対応が十分になされているか、▽このような状況の中、教会に人が集中して集まることへの危惧は払拭できない、▽示唆されている予防のための諸条件をすべてクリアしての礼拝執行に徹することには困難がある、▽東京という人の動きや移動の極めて多い大都市において、感染源が特定できないことによる感染増加の中、感染リスクがある信徒らへの教会の十全な対応が困難であることを挙げた。
高橋主教は、「聖週、イースターと、殊に大切な時に一堂に会しての礼拝をささげることができないつらさと悲しみには計り知れないものがありますが、おのおのの場所での祈りはキリストの教会と全世界のための祈りであり、信仰の業でもあります」と励ました。東京教区聖アンデレ主教座聖堂のホームページを通して、自宅で礼拝をささげるための情報提供を続けていくとし、「共に祈り合うことによる連帯と信頼の中に、主が共におられることを堅く強く信じます」と述べた。
東京では、23日に16人、24日に17人と、新規感染者が増加傾向にあり、累計感染者も24日には171人となり、北海道を抜き全国最多となった。こうした状況から、カトリック東京大司教教区も23日、29日までとしていた公開ミサの原則中止を30日以降も継続することを発表している。