【CJC=東京】世界に2億5000万人の信者をかかえる正教会の指導者は10月12日、イスタンブールで3日間開かれた会議を終え、愛情と平和の心を通して内部の違いを乗り越え、より大きな教会一致のために働くことを誓約した。トルコ紙ヒュリエトが報じた。
正教会の最高指導者エキュメニカル総主教バルソロメオス1世が、首位権争いと権力闘争によって裂かれた信仰共同体の中で一致を推進するためにイスタンブール会議に指導者を招請した。
会議は、聖パウロの生誕2000年を記念するもので、14正教会の代表は、世界規模の金融恐慌が富裕者と貧困者との間のギャップを拡大していることに懸念を表明した。
3日間の日程を終えて、指導者たちは、キリスト教各派との対話を進めたいこと、またユダヤ人とイスラム教徒との対話を進めたい、と宣言した。
宣言は、正教諸会が、「わたしたちの間で時に生じるいかなる問題も愛情と平和の心によって解決することで、正教会の一致を守る確固とした立場と義務」を再確認した、と述べている。
今回の会議は、ウクライナ正教会が、モスクワの強力な総主教の管轄から離れ、数世紀にわたったロシア影響を振り払おう、としてロシア教会と確執している最中に行われた。
宣言には、ロシア正教会の指導者アレクシー二世も、「過去の国家主義的、民族的、イデオロギー的な極端さを放棄する」必要に言及した。「このようにしてのみ、正教会の発言が現代社会に必要な影響を与えられる」と言う。
宣言はさらに世界規模の金融恐慌を「暴利をむさぼり、破滅した金融活動」の結果だと非難、「正義と社会連帯を持った有効性」と結びついた経済を呼びかけた。
宣言は正教諸教会に、環境保護の努力に焦点を定め、生命倫理の問題を研究する委員会の創設計画を打ち出した。
声明には、バルソロメオス1世、アレクシー二世の他、アルバニア、ブルガリア、キプロス、チェコ、グルジア、ギリシャ、エジプト、イスラエル、モンテネグロ、ポーランド、ルーマニア、シリア、トルコの総主教レベルの指導者が署名した。