日本バプテスト連盟の加藤信理事長は10日までに、アフガニスタンで銃撃に遭い死去した中村哲医師に対する追悼文を、同連盟公式サイトで公開した。
中村氏は、バプテスト派の西南学院中学校(福岡市)在学中にキリスト教に出会い、同連盟に加盟する香住ヶ丘バプテスト教会(同)でバプテスマ(洗礼)を受け、クリスチャンとなった。
加藤氏は追悼文で中村氏の信仰の歩みに触れつつ、「神を信じ、人を信じ、いかなる時にも現地の人々と危険と労苦を共にして取り組まれた働きは、『天、共に在り』の確かな信仰に裏打ちされたものでした」とコメント。「むさぼりと敵意があふれ、毎日おびただしい悲しみを生み出している世界にあって、中村哲さんの存在と働きは、あの最初のクリスマスに輝いた星のごとく、私たちにいつもイエス・キリストの平和の道を指し示し導くものでした」とつづっている。
その上で、中村氏の死は悲しみだとしつつも、イエス・キリストが死後、復活し世界の人々に希望を与えたように、「中村哲さんがご自身の存在すべてを賭けて取り組まれた尊い働きは、平和の源である神のもとで必ずや人々の心を照らし続ける希望に変えられ受け継がれていくことを信じるものです」と述べた。
中村氏の遺体は9日午前、故郷の福岡に遺族と共に到着。葬儀は11日午後、福岡市内で営まれる。