ローマ教皇フランシスコが最近、バチカン(ローマ教皇庁)の当局者らに、増大する財政赤字を削減するため早急な対策を取るよう命じた。バチカンの昨年の財政赤字は約7千万ユーロ(約81億円)に上り、前年から倍増している。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(英語)などが3日、伝えた。
バチカンの昨年の財政赤字約7千万ユーロ(約81億円)は、昨年の予算約3億ユーロ(355億円)の2割強。複数のバチカン高官が同紙に語ったところによると、非効率な運営が続いていることや投資収益の減少が主な原因だという。
米フォックス・ビジネス(英語)によると、教皇はバチカン財務評議会議長のラインハルト・マルクス枢機卿に宛てた書簡で、「教皇庁の財政的な将来を守るため必要と考えられるあらゆる対策を調査し、それらが迅速かつ確実に実行されるよう求める」と要求。またバチカンの各部局の代表者らに「状況の深刻さ」を伝えるよう求めた。
教皇は2013年に就任した際、バチカンの財政見直しを掲げ、翌年にはジョージ・ペル枢機卿を財務相に当たる財務事務局長官に任命した。しかしペル枢機卿はその後、過去の児童性的虐待事件で起訴され、財務事務局は現在、長官と事務局長が不在の状態になっている。