日本基督教団と在日大韓基督教会による2019年の「平和メッセージ」が1日、同教団の公式サイトで発表された。両者は1984年に宣教協約を締結しており、35年にわたる協力関係にある。平和メッセージは毎年この時期に発表している。
今年の平和メッセージでは、天皇の代替わりや憲法9条、原発問題、ヘイトスピーチ、朝鮮学校の高校無償化除外をめぐる問題、在日外国人政策などに言及。天皇の代替わりについては、特に11月に行われる大嘗祭(だいじょうさい)は神道行事だとして、政教分離の原則に反すると指摘。憲法9条については、「世界平和の象徴」だとして改定反対を表明した。原発問題については、脱原発を提唱し、福島第1原発事故による放射線健康被害状況の徹底究明を求めた。
ヘイトスピーチについては、2016年に施行されたヘイトスピーチ解消法は、罰則の伴わない理念法に留まっていると指摘。より徹底した法整備を求めた。北朝鮮との外交上の理由から、高校無償化の対象外とされている朝鮮学校については、無償化の早期実現を要望。在日外国人をめぐる政策については、外国から来た技能実習生が低賃金の労働力として酷使されているとし、外国人労働者を使い捨てるような政策ではなく、共生を尊重する政策への転換を求めた。
最後には、現在の社会はグローバル経済の下で激変しているとし、教会は「寄留者を歓待の精神で迎えながら、単にナショナルな教会ではなく、寄留者が招き入れられる『神の家族』(エフェソ書2:19)」として改革されていく必要があると述べた。