ドイツ・リンダウで8月に開催される世界宗教者平和会議(WCRP)の第10回世界大会を前に、WCRP日本委員会が提言文「リンダウ宣言へ向けた日本からの提言」を発表した。提言は15の骨子からなり、さらにそれらを集約して3つのメッセージにまとめられている。
世界大会は、2013年にオーストリア・ウィーンで開催された第9回以来6年ぶり。「慈しみの実践:共通の未来のために――つながりあういのち」をテーマに、キリスト教やイスラム教、仏教、ユダヤ教、ヒンズー教などの諸宗教の指導者をはじめ、国際機関やドイツの政府関係者ら約900人が参加する。日本からは、WCRP日本委の植松誠理事長(日本聖公会首座主教)ら約20人が参加する予定。
提言文の3つのメッセージは、宮沢賢治の言葉「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」などを引用したもので、和解を導くための宗教者の役割や、核兵器廃絶、軍縮、地球環境の保護、貧困撲滅などを訴えている。
15の提言では、1宗教施設が1難民家族を受け入れることや、核廃絶の最大の壁だとして核抑止論を否定すること、持続可能な開発目標(SDGs)達成のための国際連帯税の実施などを掲げている。
提言文は今後、世界大会の宣言文起草委員会に提出される予定。