アジア宗教者平和会議(ACRP)は11、12の両日、執行委員会を立正佼成会大阪普門館(大阪市)で開催した。同委が日本で開催されるのは今回が初めて。世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会理事長の植松誠・日本聖公会首座主教や、韓国カトリック司教協議会会長の金喜中(キム・ヒジュン)大司教を含む、アジア19カ国の宗教指導者ら約100人が参加した。
同委では今回、▽ACRPのガバナンス強化、▽組織運営の強化、▽プロジェクト実施の展開――の3点を主要課題として議論。さらに、来年東京で開催する第9回大会の実施要項や定款の改正、ACRPとして具体的に取り組むプロジェクトの明確化などを話し合った。
東京大会については、開催期間を来年10月14~16日とし、国立オリンピック記念青少年センター(東京都渋谷区)を会場とすることを決定。大会テーマは「行動するアジア宗教共同体:包摂的で平和なアジア」に決めた。一方、来年は定款改正の採択や新たな執行部の選出などがあることから、参加者数を300人程度に絞り込んだ実務型の大会とすることを確認。ただし初日の開会式は、京都造形芸術大学の竹村真一教授(文化人類学)が基調講演を行い、400~500人程度の参加者を想定して用意を進める。
定款の改正は、ほぼ原案通りに承認され、来年の東京大会で採択される見通し。主な改正点は、1)5~6年ごとに開催する「大会」と、毎年開催する「執行委員会」の中間組織である「管理委員会」の廃止、2)ACRPの実務議長や各部の宗教指導者、専門家らによる「諮問委員会」の新設、3)財政健全化推進のための「アジア・トラスティー」の新設。
ACRPが具体的に取り組むプロジェクトとしては、1)人身売買問題、2)女性と子どもの尊厳、3)北朝鮮と韓国、バングラデシュとミャンマー間の平和と和解、4)環境と開発――の4つに関わる取り組みが、あらかじめ用意された文書で提示され、さらに議論の結果、5つ目のプロジェクトとして「青年のリーダーシップの推進」が加えられた。
同委ではこのほか、来年の東京大会で、次回大会までの「行動計画」を採択することも決定。各プロジェクトのより積極的な実施を後押しする。
また同委には今回、ACRP未加盟の東ティモールからもオブザーバーとして、イスラム教代表のアリフ・サグラン氏と、キリスト教代表でカトリック神父のマルティノ・G・ダ・シルバ・グスマオ氏が参加した。2人は東ティモールの正式加盟に向けた手続きに入ることを表明し、順調に進めば、来年の東京大会で22番目の加盟国として承認されることになる。