1882年に建設が始まり、約140年たった今も建設が続いているスペイン・バルセロナの「サグラダ・ファミリア」(聖家族教会)がこのほど、1世紀以上にわたる「違法建築」状態から解消される見通しとなった。2026年に予定されている完成に向け、法的な整備が整うことになる。英タイムズ紙(英語)などが伝えた。
サグラダ・ファミリアは、スペインの著名建築家アントニ・ガウディ(1852~1926)の代表作。1882年3月19日に着工し、ガウディは85年、当時は独立した自治体であった地元のサンマルティ地区に建築許可を申請、許可を得ていた。しかしその後、サンマルティ地区が97年にバロセロナ市に吸収合併され、サグラダ・ファミリア側は建築許可の再申請など必要な手続きを怠っていたとされている。
サグラダ・ファミリア側は「1世紀以上、誰もそんな要求をしてこなかった」と反発。しかし2年にわたる協議の末、昨年10月にバロセロナ市に対し3600万ユーロ(約45億円)を支払うことで合意していた。バロセロナ市は、支払金をサグラダ・ファミリアとバロセロナ市内の地下鉄を結ぶ交通インフラ整備などに充てる計画。