関西学院大学は西宮上ケ原キャンパス(兵庫県西宮市)のランバス記念礼拝堂で9日、阪神・淡路大震災のメモリアルチャペルを開催した。同大では大震災により、学生15人、教職員ら8人が命を失っており、チャペルには学生や教職員、地域住民ら約160人が参加、追悼の祈りをささげた。
「しずけき祈りの」(『讃美歌21』495番)の賛美で始まったチャペルでは、大宮有博(ともひろ)教授(法学部宗教主事)が、テサロニケの信徒への手紙5章12〜18節から「最後の一人までの復興をあきらめない」と題してメッセージを伝えた。
大宮氏は自身の被災経験を語り、「街は復興を遂げたが、人よりもペースの遅い人々はまだ震災から抜け出せていない。震災とは、復興の過程で、弱い人が切り捨てられることであると感じる。関西学院はこの23年間、弱い立場の方に寄り添って歩めたのか。今一度、見直す必要がある」と述べた。
その後、同大関係者の犠牲者を追悼し、学生の犠牲者15人に合わせ、ハンドベルクワイアの学生がベルを15回鳴らし、全員で黙祷をささげた。
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では6434人が亡くなり、戦後に発生した地震では、2011年の東日本大震災が発生するまで最悪の被害規模だった。