ローマ教皇ベネディクト16世は12日、教皇就任以来初となるフランス公式訪問を開始し、サルコジ仏大統領と会談した。
教皇は、「様々な文化が交錯する現代、政教分離の真の意味を考える必要がある」「宗教には社会の基本的倫理を形成する役割がある」と強調し、厳格な政教分離を掲げるフランス社会における宗教の位置付けについて再考を呼び掛けた。
サルコジ大統領も、「フランスのルーツはキリスト教」「宗教と対話する前向きな政教分離を目指すべき」と提唱し、徹底した政教分離を訴えるメディアや市民団体とは反対の立場を示した。
教皇のフランス訪問は15日まで続き、カトリック教会の巡礼地であるルルドなどでミサを執り行う予定。