そのとき、主はギデオンに仰せられた。「あなたといっしょにいる民は多すぎるから、わたしはミデヤン人を彼らの手に渡さない。イスラエルが『自分の手で自分を救った』と言って、わたしに向かって誇るといけないから」・・・そこで主はギデオンに仰せられた。「手で水をなめた三百人で、わたしはあなたがたを救い、ミデヤン人をあなたの手に渡す。残りの民はみな、それぞれ自分の家に帰らせよ。」そこで彼らは民の糧食と角笛を手に取った。こうして、ギデオンは・・・三百人の者だけを引き止めた。(士師記7:2~8)
今日は旧約聖書のギデオンの物語から、信仰の力を働かせる秘訣を学びましょう。この頃イスラエルにはリーダーが定まらず、武器もなく、非常に弱い存在でした。刈り入れ時にはいつもミデヤン人の軍勢が来て収穫物を奪い、痛めつけられました。そのためギデオンは、隠れて小麦を打っていました。
そのギデオンに、ある日主の使いが現れて、大勇士よ、と呼び掛けますが、自信のない彼は、主が共におられるのなら、なぜこのような情けない状況にあるのかと嘆くばかりで、不信仰に陥りました。そんなギデオンに対して主は、あなたと共にいる、行って戦えと繰り返し語られ、いざ戦おうとしたときに、世の中の理屈とは全然違うことが起こりました。
1. 数や量にではなく、主により頼む
戦いでは、兵士の数や武器は多いほど有利になるものです。しかし神は、自分たちの力で勝利したと錯覚し高ぶらないためにと、腰の引けている者を帰すようにと言われました。そこで、3万2千人いた兵士が1万人になります。
3分の2以上の兵士が帰ってしまい、ギデオンは心細くなったでしょう。しかし、「私たちは、恐れ退いて滅びる者ではなく、信じていのちを保つ者です」(へブル10:39)。恐れおののき、退くとき、悪の力を呼び込んでしまいます。数や量ばかりを当てにするのではなく、共におられる主に信頼しましょう。勝利は主なる神によって与えられるのです。この事実に勝る大切なことはありません。
2. 数や量ではなく、質を主は選ばれる
残った1万人から、主はさらに兵士を減らされました。谷川で腰をかがめて手で水をすくって飲んだ兵士だけを残され、その数わずか300人。隙を見せることなく、戦う心備えの整っている兵士を主は選ばれたのです。神は、兵士たちの質を求められたのです。
後になって彼らは、ギデオンが命じる通りに冷静に戦い、勝利を収めますが、戦いの中で一人でも身勝手に動く者がいたらどうなっていたでしょう。神が求められるのは、どんな時にも主に聞き従うという姿勢です。
ダビデは、サウル王の兵にいつ殺されるか分からないときに、「私の口には、いつも、主への賛美がある」(詩34:1)と歌いました。どんな時にも、せっかく積み上げた信仰を否定したり、神に文句を言ったり、恵みを無駄にするようなパニックに陥らないように気を付けましょう。私たちの信仰の質が神に向かって整えられるようにしましょう。
3. 神が共に戦ってくださる
日々の生活での痛み、心配の中に主は働いてくださることを信じましょう。ギデオンが鬨(とき)の声を上げ、兵士が「主の剣、ギデオンの剣だ」と叫ぶと敵はパニックに陥り、その瞬間に勝敗が決まったと聖書は語っています。敵の大群に、わずか300人の兵で神が勝たせてくださいました。
体力、精神力、お金やコネなど、いろんな力が人生の中で働きますが、神の力を忘れてはなりません。人生には、悩みもあります。しかし、あなたが神によって選ばれてクリスチャンにされた以上、神があなたを見捨てることはありません。だから、小さく見える信仰でも、信仰の質を研ぎ澄まし、問題や敵に、「主よ、あなたの力で戦います」と祈るならば、あなたも必ず神の助けと大勝利を体験できます。主の勝利を告白しましょう。
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