日本聖公会神戸教区・西日本豪雨被災者支援室は7月31日、広島と倉敷の両市にある教会内にボランティアセンター(VC)を設置し、ボランティアの受け入れを開始した。西日本豪雨の被災者支援のために活動するボランティアを募集し、8月末まで宿泊や朝夕食を無償で提供する。
ボランティアセンターが設置されたのは、広島聖モニカ礼拝堂(広島市西区井口鈴が台3−17−21)と、倉敷聖クリストファー教会(倉敷市東富井830−1)。31日には、同教区の小林尚明主教と支援室長の小南晃司祭(神戸昇天教会牧師)が両所を訪れ、開所式が行われた。
同教区で募集しているのは、被災者宅の荷物整理や清掃活動、がれき撤去などを行う「作業ボランティア」、作業ボランティアのための食事作りなど生活面で支える「キッチンボランティア」、ボランティアの送迎や道具・がれきの運搬などを行う「運転ボランティア」の3種。作業ボランティアについては、各市の社会福祉協議会の活動に参加する形で行っている。
広島聖モニカVCの責任者を務める瀬山会治司祭(米子聖ニコラス教会牧師)によると、同VCでは常駐スタッフは1〜3人で、2日現在、作業3〜5人、キッチン1〜2人、運転1〜2人のボランティアが活動している。全国の聖公会の教会から募集しており、これまでに神戸や京都、鳥取、熊本から参加者がいるという。
支援室のフェイスブックでは、活動状況を逐次報告しており、それによると、広島聖モニカVCのボランティアは、2日は豪雨により死者も出た広島市南区楠那地区で民家の泥かき作業を行った。ある民家は、裏山の擁壁が土砂と共に崩れて全壊し、大量の土砂が流れ込んでしまったという。そうした土砂を土のう袋に入れ、流れ作業で運び出していった。
この日、広島市内では熱中症のために倒れてしまったボランティアも出たというが、神戸教区から参加した女性は「公民館に帰ると、地元の小・中・高生たちに泥で汚れた長靴を洗ってもらったり、冷たいタオルをもらったりと愛情たっぷりのおもてなしを受けました。心がほっこり、再び元気になってボランティアセンターへ帰ることができました」と報告している。
倉敷聖クリストファーVCは、2日は大きな被害が出た倉敷市真備町地区で活動を行った。日本福音ルーテル教会の水原一郎牧師(徳山教会)を含む十数人で、同地区内の公園に積み上げられた水没家財をクリーンセンター(ごみ処理場)に運搬した。高知県の男性信徒から提供された3トントラックが活躍しているというが、トラック持ち込みの運転ボランティアが不足しているという。
ボランティアの募集は聖公会の信徒に限定していないが、聖公会の教会を通して申し込む必要がある。申し込みや募集条件、持参品などの詳細はボランティア登録票・募集要項を。神戸教区ではまた、下記で支援室の活動のための募金も行っている。
<郵便振替>
01100−9−17568 日本聖公会神戸教区
※「被災者支援室のため」と記載
<銀行振込>
ゆうちょ銀行 一一九店 当座 0017568
さらに、礼拝などで用いられるよう「西日本豪雨被災者のための祈り」も用意している。小林主教と、室長の小南司祭は「被災者のためのお祈りをおささげください」と求めるとともに、支援室の報告第1信で次のように述べている。
「この度の神戸教区の被災者支援の動きが微々たるものに過ぎず、歯がゆく思われるかも知れませんが、しかし現時点で当教区としてできる精一杯のことでもあります。しかし同時に、この災害に苦しむ多くの人々に対して主イエス・キリストご自身がなさろうとしている業に、ちょうど、5千人を前にして『5つのパンと2匹の魚』をささげた少年のように、小さな形からでも参与できたらと願うものです」