米キリスト教調査会社「バーナグループ」は6月26日、米国人成人クリスチャンの28%がSNS上で未信者の友人や知人らと、自身の信仰を分かち合っているとする調査結果(英語)を発表した。
この調査結果は「デジタル時代の霊的対話」(英語)と題した96ページにわたる報告書の一部。調査はルーテル・アワー・ミニストリーズと協同で行ったもので、米国人成人1714人を対象に、2017年6月22日〜7月13日にインターネット上で実施された。
この調査により、米国人成人のうち、クリスチャンだと自認する人の28%が、SNS上で未信者に自身の信仰を表明していることが分かった。一方、クリスチャンではないとする人の58%がフェイスブックで、14%がその他のSNSで、他人から信仰を分かち合われた経験があると答えた。
この他、30%のクリスチャンが対面で自身の信仰を分かち合うのと同様に、インターネット上でも信仰を分かち合うと答えた。また、44%は技術革新によって信仰の表明方法が変わったと答えた。
インターネット上で信仰を分かち合う場合、88%は自身の投稿を通して信仰を伝えている。他人の投稿をシェアすることで(86%)、または他人の投稿などにコメントすることで(85%)、自身の信仰を分かち合う人も多くいた。
調査結果を受けバーナグループは「多くのクリスチャンは、技術革新やデジタル通信の発達により、SNSの投稿やコメント、プロフィールを通して伝道がしやすくなったと考えている」と分析する。一方で「デジタル時代における霊的対話は緊張感で満ちており、若い世代は対話への参加にとても慎重な姿勢を示している」という。
バーナグループは「技術革新と急速な文化の変化は、伝道の在り方に変化をもたらしたかもしれない。しかし、大宣教命令が完結したわけではない。この最新の報告書が示す変化を参考にすることで、(教会)指導者は信徒を訓練することができ、変わることのない福音を効果的に伝えられる」と説明している。
近年、多くの教会やパラチャーチがインターネットを使って伝道するようになり、特にSNSの存在感は人々の生活の中でますます高まっている。
一例として、インターネット伝道同盟(IEC)が主催し、グローバル・メディア・アウトリーチ(GMA)の協賛で毎年行われている「インターネット伝道デー」がある。
「インターネット伝道デー」の英国のコーディネーターを務めるトニー・ウィテカー氏は、SNSは伝道に新たな機会を提供したとして、クリスチャンポストとの2012年のインタビューでその重要性について述べている。
「誰かがインターネット上での伝道を望む場合、比較的最近まで、それはかなり強い意思を必要とする作業でした。ウェブサイトやブログを作成しなければならなかったからです」
「しかしSNSの出現で、誰でもそれ(インターネット伝道)ができるようになりました。文章やIT技術の賜物(たまもの)は必要ありません。フェイスブック(あるいはツイッター)とユーチューブの動画、そしてスマートフォンという三つよりの糸は力強い組み合わせです」
英国国教会はデジタル通信チームを組織し、SNSを用いた効果的な伝道を行っている。
チームの責任者であるエイドリアン・ハリス氏によると、教会案内サイト「A Church Near You(お近くの教会)」(英語)や英国国教会の公式サイト(英語)の年間閲覧数は3500万回で、前年と比べ5割も増えた。
「私の地元で注目されているのは、教会の年間行事として重要なクリスマスのようなイベントです。(それを通して)私たちは若い年齢層に伝道しています」とハリス氏は言う。「例えばインスタグラムをやっている人の半数は34歳未満です。私たちのメインのウェブサイトでは、訪問者の17%が25歳から34歳の若年成人で構成されています」
ハッシュタグ「#GodWithUs」(英語)などを使い、クリスマスに行った伝道キャンペーンでは、SNS上で680万人に福音を伝えた。その成功の秘訣は、不特定多数ではなく、特定のグループの特定のコンテンツをターゲットにした調査を行い、キャンペーンを実施したことだという。