世界2200万人以上に福音を伝えてきたアルゼンチン出身の大衆伝道者、ルイス・パラウ氏(83)の生涯を描いた映画「パラウ・ザ・ムービー」が10月、南北アメリカ大陸の各国とスペインで公開される。果敢な若き路傍伝道者として歩みを始め、後に世界中に福音を広める大伝道者となったパラウ氏の軌跡を追った作品で、クリスチャンポストの取材に息子で同じく伝道者のアンドリュー氏が応えた。
撮影地は、パラウ氏の母国アルゼンチン。父親を失ったパラウ氏の若き日々に始まり、貧しい家庭を支えた少年時代、ビリー・グラハム氏のラジオ放送を聞き、伝道者の道へ進むことを決めるパラウ氏、そしてその後の活躍が描かれている。一方、最初は単なる路傍伝道者だったパラウ氏が、「アルゼンチンの霊的指導者」と呼ばれるほどまで活躍する中で直面した試練も紹介されている。
アンドリュー氏によると、ラジオで初めて聞いたグラハム氏の威厳を感じさせる声が、パラウ氏に対する神の召しを確信させた。
「グラハム氏は、はるか遠くから御霊によって父にビジョンを与えました。その後、神の恵みによってグラハム氏は、父になくてはならなかった助言や支援を与えてくださいました」
映画の撮影は、パラウ氏が今年1月18日に、ステージ4の末期の肺がんであることを公表する直前に開始された。
パラウ氏は1月5日、自身のフェイスブックに「皆さん。ミニストリーの支援者たちが私の人生に関する映画を作ると決めたことをご存じですか」とコメント。アルゼンチンの有名な俳優でありテレビ司会者、またプロデューサーでもあるガストン・ポールズが、若き日のパラウ氏を演じることを明らかにし、ポールズ氏があいさつする動画をシェアしていた。
「別の誰かが自分の役を演じるのを見ると、あまりしっくりきませんね。どうぞ映画のためにお祈りください。それが主に栄光を帰するものとなり、福音をはっきり伝えるものとなりますように」とパラウ氏はつづっている。
アンドリューさんは、がんが発覚する前にパラウ氏が映画作りに同意してくれたのは幸いなことだったと話す。
「がんになる前に、父が映画化を承認してくれたことは本当に幸いでした。父を見ているとはっきり分かるのですが、自分の死が近づいていることを知れば、きっと自分について人に話すことを望まないからです」
「正直に言って、私たちの多くは映画が父を称賛するものだと捉えがちですが、そうではありません。誰でも同じだと思いますが、(自分に栄光を帰したいという)闘いを経験します。しかし聖書の原則に従うなら、誰もが同じように勝利できます」
パラウ氏は1月、アンドリュー氏ともう1人の息子ケビン氏と共に、自身ががんに犯されていることを発表した。ルイス・パラウ協会の現会長を務めるケビン氏は、パラウ氏のがんを発表する動画で次のように述べている。
「私たちの願いはこの動画を撮影して、父とミニストリーを愛してくださっている皆さんに、今、父の人生に何が起きているかをお伝えすることでした。(中略)驚いたことに父の肺にがんがあることを、(昨年の)クリスマス直前に知らされました。(中略)ほんの数日前、ステージ4の肺がんであることが分かりました。とてもショックです。特に父は、いつも元気な人でしたので」
パラウ氏自身は動画の中で、ステージ4のがんであると知ったとき、自身がまず初めにしたのは泣くことだったと告白した。
「悲しいことではありますが、パニックや恐怖は感じておりません。もし私が癒やされるなら、(それは)ハレルヤです。医学的なことをいえば、多くの人が、主が奇跡を起こしてくださるように祈っています」
この悲しい知らせをよそに「パラウ・ザ・ムービー」の製作は続けられ、パラウ氏は主が今年なされるすべてのことを楽しみに見守るつもりだと楽観的な姿勢を貫いている。
脚本・監督はケビン・ノブロック。パラウ氏の妻パットをアレクサンドラ・バードが演じ、パラウ氏はガストン・ポールズのほか、22歳の時をサンティアゴ・アチャガ、10歳の時をアグスティン・アモエドが演じる。ファビン・カラスコがパラウ氏の父親役、ダレン・ドーラーがビリー・グラハム役を務める。
詳しくは、映画「パラウ・ザ・ムービー」の公式サイト、またはフェイスブック(いずれも英語)を。
■ 映画「パラウ・ザ・ムービー」予告編