日本伝道者協力会(東京都千代田区、福沢満雄会長、EFJ)の第25回総会及び、リトリートが9月1日から3日まで、静岡県熱海市のウェルシティ湯河原で開催された。1983年にオランダ・アムステルダムで開催された世界伝道者会議の出席者有志らによって始まった同協力会も今年で活動25年目を迎え、「新しい時代のために新しい皮袋を備えていただこう」として、その四半世紀に及ぶ活動に幕を下ろすことが決まった。11月に行う集会が最後の活動となる。
同協力会は、世界的な伝道者ビリー・グラハム氏の呼びかけで開催された世界伝道者会議に出席した日本人伝道者の有志ら22人によって、巡回伝道者の交わりと研鑽、忠告と励まし、祈りと育成を目的に、「一億同胞および全世界の救霊、キリストの体なる教会の建て上げ」を目指して設立された。
設立メンバーには、45年間で4500回以上の伝道集会を行い、150万人以上に福音を伝えた本田弘慈氏(日本福音クルセード主幹)や、「集中方式伝道」という教会形成指導を約300教会で実施し、100以上の教会で新会堂が建築されるまでの発展を導いた松見睦男氏(日本キリスト宣教会主幹)、全日本リバイバル甲子園ミッションでメインスピーカーとして活躍した田中政男氏(全日本リバイバルクルセード)ら、当時の日本を代表した伝道者らが名を連ねた。同協力会は1984年の設立以来、総会のほか研修会、リトリートなどを毎年開催し、各時代それぞれの課題を取り上げて研鑽を重ねるとともに、日本の巡回伝道者同士の協力の場としてその役割を果たしてきた。
今年の総会とリトリートは、来年に日本のプロテスタント宣教150周年を迎えるのを念頭に、「日本宣教の回顧、変革が迫られている将来の展望」をテーマに開催。郷家一二三氏(日本ホーリネス教団・坂戸キリスト教会主任牧師)、杉本智俊氏(新生キリスト教会連合・町田クリスチャン・センター主任牧師)、中村和司氏(ウェスレアン・ホーリネス教団・淀橋教会副牧師)が講師としてメッセージを伝えた。
同協力会の最後の活動となるのは、11月8日に救世軍本営ホール(東京都千代田区)で開催される日本芸能フェスティバル。日本に古くからある琴や尺八、狂言、講談、詩吟などの芸能を用いて、福音を伝えようという試みだ。
150年前にプロテスタント宣教師が来日した当時、日本芸能は「異教的」であるとされ、日本人にはなじみが薄い「西洋文化」を伴ったキリスト教が紹介されたのではないだろうか。日本人の心に響くなじみが深い楽曲と楽器を活用していれば、もっと広く深く日本にキリスト教が浸透したのではないだろうか。そのような思いで今回、日本芸能フェスティバルが開催される。
同協会の設立メンバーの1人である、総動員伝道代表の姫井雅夫氏(日本基督教団・赤坂教会牧師)は、「超教派で活動する巡回伝道者は、教派・教団の壁や、招かれなければ奉仕ができず、活動の場が少なければ経済的にも負担が大きい」と、伝道者の働きには様々な難しさがあるとしながらも、大規模会場で行われる大衆伝道や、テレビやインターネットなどメディアを用いた大衆伝道ばかりではなく、個々の教会の伝道集会や研修会でも「幅広く奉仕できる器、品性と霊力を備えた器」が育って欲しいと、次世代の伝道者へ向けた期待を語った。