北アフリカのリビアで2015年に過激派組織「イスラム国」(IS)に斬首されたエジプト人コプト教徒20人の遺体が14日、首都カイロに到着した。
殉教したコプト教徒たちは、出稼ぎのためにリビアを訪れていたが、2014年12月と15年1月に別々の事件で捕らえられた。ISは、彼らにオレンジ色のジャンプスーツを着させ、拠点としていたリビア北部の都市スルトの浜辺で斬首。その動画を15年2月にインターネット上で公開し、世界に衝撃を与えた。
遺体は昨年10月、ISの元関係者の証言に基づいた調査で見つかり、回収されていた。ISは15年にスルトを占拠したが、米国の空爆支援により地元の政府軍が16年末に奪還した。
斬首されたのは計21人で、20人がエジプト人、1人がガーナ人だった。いずれも男性。このうちエジプト人20人の遺体が、スルトに隣接するミスラタから、カイロに航空機で移送された。
現地の報道によると、コプト正教会の教皇タワドロス2世は、ひつぎに納められた遺体を空港で出迎えた。遺体は埋葬のため、エジプト中部のミニヤ県に移送される。