ヒューマン・ライツ・ウォッチやキリスト教連帯ネットワーク、ダリット自由ネットワーク、ベケット宗教自由基金などの人権諸団体は、インド東部のオリッサ州で発生したヒンドゥー教徒によるキリスト教徒へ対する激しい暴力の即時停止を呼びかけるよう、欧州連合(EU)や米国などに要請した。
同州で発生したヒンドゥー教徒によるキリスト教徒に対する暴力は、先月末に1人のヒンドゥー教指導者が殺害されたのを発端に始まった。ヒンドゥー教強硬派が中心となって同州のキリスト教徒に対する暴力を激化させ、これまで双方の間で11人の死亡が確認されている。この対立でキリスト教の児童養護施設が放火されたほか、教会や商店、民家なども襲撃された。
各人権団体は、「犠牲者との団結を示し、これ以上の暴力を防ぎ、さらにこれ以上の犠牲者を出さないようにするためには、国際的に懸念を示す声明が必要」「我々は宗派(の違い)による暴力の停止と、弱者にある共同体の保護を求める声明を早急に出すよう求める」、インドでの暴力停止を求める声明を出すよう強く要請している。
暴力の発端となったヒンドゥー教指導者の殺害について地元警察は、毛沢東主義の反抗勢力によるものとしている。しかし、世界ヒンドゥー機関(WHO)の幹部であるスバッシュ・チャウハン氏らが、キリスト教過激派にその責任があるなどと主張しているため、今回のキリスト教徒に対する暴力を助長するかたちとなっている。