米国アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(AG)の執行長老会(理事会に相当)は4月23日、第11代総主事としてドナ・L・バレット氏を全会一致で選出した。総主事は同教団第3のポジションで、女性が選ばれるのは100年以上の歴史がある同教団で初めて。就任は6月1日付。同教団の公式ニュースサイト「AGニュース」(英語)などが同日伝えた。
同教団トップのダグ・クレイ総監督はバレット氏について、「教会開拓に取り組み、教区の指導者、総長老会員などを務めてこられたことは、彼女が謙虚さとリーダーシップの賜物を持ち合わせることを示してしています」とコメント。「私は彼女が主に用いられ、教区レベル、全国レベルの困難な状況において、知恵をもって語るのを繰り返し見てきました」などと述べ、これまでの実績をたたえた。
バレット氏は1988年、同教団の牧師として奉職。オハイオ州ヤングスタウンの教会でユースパスタ−(青年担当牧師)として10年、同州クリーブランドの教会で副牧師として7年奉仕し、2002年に同州インディペンデンスで「ロックサイド教会」を開拓した。また同時に、「オハイオ・ミニストリー・ネットワーク」(OMN)の執行長老会や、教団の総長老会でも仕えてきた。
AGニュースによると、バレット氏は特に祈りに熱心な奉仕者で、オハイオ州議会下院では過去2年にわたり議会の祈りを担当。地元では、全米で持たれる「国家祈祷日」(5月第1木曜)の行事を15年にわたって支えてきた。
総主事に選出されたことで、バレット氏はペンテコステの5月20日を最後にロックサイド教会の主任牧師から退くことになる。同教会のサイト(英語)に、バレット氏は次のようにつづっている。
「皆さんは、実に素晴らしいキリストの従者の群れです。立派なスタッフと有能な役員会の導きの下で、この教会は次の時期に対する神の御心を見いだそうとしています。ロックサイド教会の皆さん、ありがとう。この教会の牧師であったことは、私にとって光栄なことでした。(中略)私は、教団の総主事という大役を任され、ミズーリ州スプリングフィールドの教団本部で仕える機会をいただいたことを謙虚に受け止めています」
バレット氏は今後、総主事として、教団内の教職者の任命や教会の認可、統計データの収集、教団の資料保管・研究機関である「フラワー・ペンテコステ遺産センター」の監督などを行う。
米国AGは1914年の創設以来、女性教職者を認めおり、現在は牧師の約4分の1が女性。総主事の改選は、現職のジェームズ・T・ブラッドフォード氏が4月初め、フルタイムの牧師職に就任するため辞意を表明したことで行われた。
米国GAの最高議決機関は2年に1度開催される総会(General Council)だが、各総会間の期間は各教区や海外の宣教地の代表者ら300人余りで構成される総長老会(General Presbytery)が議決機関となる。総監督(General Superintendent)や総主事(General Secretary)ら6人で構成される執行幹部(Executive Leadership Team)を含む執行長老会(Executive Presbytery、21人)が教団の理事会として機能する。執行長老会にはすでに数人の女性が任命されているが、女性の執行幹部はベレット氏が初。
AGは1914年、約300人の教職者や信徒らが米アーカンソー州ホットスプリングで設立総会を開いて始まった。米国AGの公式サイト(英語)によると、米国内には現在1万3004教会があり、信徒数は約300万人。AGの流れを組む教会の信徒数は世界で約6700万人と、ペンテコステ派では世界最大の教派を形成している。