超教派の米学生伝道団体「インターバーシティー・クリスチャン・フェローシップ」(ICF)は6日、ウェイン州立大学(ミシガン州)が昨年10月にICFの学生団体としての公式認可を取り消した問題への措置として、同大を提訴した。同大がICFの認可を取り消したのは、団体のリーダーになるための条件として、クリスチャンであることが求められていたため。大学側は提訴されたことで2日後の8日、昨年の決定を覆し、ICFを再度認可することを決めた。
同大は、地元のデトロイト・フリー・プレス紙に掲載した声明(英語)で次のように述べている。
「ウェイン州立大学は、ICFと目下の状況を再検討した結果、同団体を公式の学生団体として再認定することにしました。ICFはすべての学生を歓迎し、参加させることを約束しているため、大学がICFのリーダー選考に介入することはありません」
ICFの代理人を務める法律事務所「ベケット」のローリー・ウィンドハム上級顧問は8日、声明を発表し「ウェイン州立大学が問題に気付いたことは喜ばしいことです」とコメントした。しかし「数カ月にわたり学生たちに表明してきた態度を、最後の瞬間で一変しただけでは十分とは言えません。この種の公式な宗教的差別は、2度と起こすべきではありません」と述べた。
ICFは昨年10月以降、学生団体としての学内での正式な地位を失ったことで、会議室の無料予約やイベントでのテーブルの無料使用、キャンパスでの資金調達申請などの特典を利用できなくなっていた。
ICF側は訴えで、同大が他の学生団体に対してはリーダーの選考基準を厳格に定めることを許可していると指摘。リーダーの選考基準を理由に、ICFだけにこのような措置を講じるのは偽善的だと主張していた。
「ミシガン州政府の一部門であるウェイン州立大学は、ICFがユダヤ教徒やイスラム教徒、無神論者ではなく、キリスト教徒だけをリーダーに選ぶことについて、大学の方針に違反するという、注目に値する主張をしています。しかしウェイン州立大学は、男子学生のクラブが男性のリーダーだけを有し、女性学生の運動クラブが女性のリーダーだけを有することを許可しています。また、アフリカ系米国人のクラブにはアフリカ系米国人のリーダーのみを有することを公式に認めています。ですから大学側は、キリスト教のクラブがキリスト教徒のリーダーのみを有することは誤りだと言うことはできません」