著名な世界的伝道者ルイス・パラウ氏(83)が18日、ステージ4(末期)の肺がんと診断されたことを明らかにした。
パラウ氏はこの日、息子であるケビンさんとアンドリューさんの3人で映る動画を公開。地上の人生の終わりを迎える覚悟はできていると述べ、現在の病状から回復するには「文字通り奇跡が必要だろう」と語った。
英国で昨年11月に行った伝道旅行を終え、米国に帰国したパラウ氏は12月初旬、咳を伴う風邪が長引き、肺炎を疑って病院に行った。しかしその後、CTスキャンを撮ったところ、肺にがんがあることがクリスマス直前になって判明した。さらに今回の発表の数日前に、ステージ4だと診断されたという。
「多くの人が、主が奇跡を起こしてくださるように祈っている」とパラウ氏。「文字通り奇跡が必要だろう。医学的には、ステージ4は深刻だ」と言い、医師からは「もうなすすべがない」とも言われたと語った。
3人は動画の中で、がんの告知により衝撃を受けたことや、人生の無常について話した。パラウ氏は「パニックや恐怖」は感じなかったものの、近いうちに家族と会えなくなることを考えると平安の中にも悲しみを感じたという。
しかしパラウ氏は、死後における永遠の命の希望についても語った。「主が数カ月後か2年後かに私を召されるとしても、私は覚悟ができている」
ルイス・パラウ協会のウェブサイト(英語)には、動画と共にパラウ氏の文書も掲載された。
「私たちの人生は1度だけです。そして当然ながら、いつ終わるか分かりません。まだ日のあるうちに、私たちの誰もが人生を最大限に生かせるよう、私は祈っています。なぜなら間もなく、誰も働けなくなる夜が来るからです(ヨハネ9:4)」
「私たちと共に祈り、主に信頼してくださることを感謝します。状況が進展して何か分かりましたら、順次ご報告します。パット(パラウ氏の妻)と私のためにお祈りください。今は不確実の時代です。しかし私たちは、主イエスと平安の内に堅く立っています。主に信頼しています。私たちは歩みを遅くすることはできません。敵に足場を与えてはなりません。揺るぎない決意を持ちましょう。揺るがされないようにしようではありませんか。逆に、緊張感と忍耐をもって前進してゆきましょう」
祈りや励ましの言葉があれば、メール([email protected])で受け付けるという。動画の中のパラウ氏は悲しい知らせにも明るく活気に満ちており、幾つもの聖書箇所を引用しつつ、励ましの言葉を語っている。そして最後は次の言葉でメッセージを閉じた。
「最後に一言。サムエル記下22:31『神の道は完全』。ですから、私たちはそれに信頼し、それを信じ、それを楽しんでいます。何と素晴らしい言葉でしょう。主が皆さんを祝福されますように。さようなら。また、お会いしましょう」
パラウ氏は1934年、スペイン系の父親と、フランス人とスコットランド人の血筋を引く母親の元にアルゼンチンで生まれた。10歳の時に父親を亡くし、家族は貧困に苦しむが、47年のサマーキャンプで献身を決める。その後、初めて聴いたビリー・グラハム氏のラジオ放送で伝道者を志す。米国籍を取得した後には、グラハム氏の伝道集会でスペイン語の通訳を務めるなどした。自身のミニストリーでは、ラジオ放送のほか世界各地で伝道集会を開き、福音を伝えた人は2016年までに世界で2200万人に上る。
■ 肺がんを発表するルイス・パラウ氏と息子の2人