英国で通常16歳のときに受ける義務教育修了のための全国統一試験「GCSE」で、試験科目として「宗教教育」を選択した生徒が昨年比で4.7%、10年ぶりの増加を記録した。英国国教会(聖公会)は、若者の宗教への関心が高まっている傾向と受け止め、今回の結果を歓迎している。
英国国教会の学校改善部門責任者であるニック・マッケニー氏は、「今回の増加は若者がますます、彼ら自身または他人が何を信じているかに興味を持つようになっていることの証拠だ」と述べ、生徒たちが現代社会における宗教の役割の重要性を認識しつつある兆候だとした。
「GCSE」で生徒は最高10科目まで選択することができ、今年は8016人の生徒が宗教教育を選択。昨年より1265人が増加した。一方、英国で通常18歳の時に受ける日本の高等学校卒業レベルの全国統一試験「A Level」でも宗教教育を選択する生徒はここ5年間継続して増加している。
マッケニー氏は、「今年のGCSEの結果全体を見ると、多用な能力・背景を持つ生徒の獲得に力を入れた学校、とくに教会学校が、今回のGCSEでより大きな成功を収めたようだ」と分析。一方で宗教教育を受ける生徒が増加することで、より多くの生徒が、現代の世界が宗教を否定する過去の様々な無宗教主義者らの視点で理解されていることを知るになるだろうと述べ、「今回の数字は、現代社会にいる完全な無宗教主義者にとって重要な挑戦になるであろう」と語った。