2011年の世界遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産のうち、原城跡、吉利支丹墓碑、日野江城跡の三つの国指定史跡を有する長崎県南島原市では、市の職員が世界遺産登録を呼びかけるポロシャツを着用して本登録に向けた機運を盛り上げている。
ポロシャツの左胸には「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」のシンボルマークと「南島原から世界遺産を」のキャッチフレーズをプリント。色はピンクや青、黄色など10色を用意し、市職員のクールビズの一環としても活用している。12日から着用を始め、市民らにPRしている。
今回のポロシャツにも採用されたシンボルマークは、長崎県が昨年7月に発表したもの。中心にある白い教会を、ステンドグラスの手が囲むデザインとなっている。教会は、「信者が自ら造り上げ守ってきた教会のこれまでの歴史」、教会を支える手は、「今後は人類の『たからもの』として世界が共に守っていく」ことを表している。また、教会の周りには山や海がデザインされ、教会が自然と一体となって優れた文化的景観となっていることを表現している。海外でも PRできるようにと、マークの中には暫定リストに登録された英語訳通りの「Churches and Christian Sites in Nagasaki」の文字が記されている。
「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は昨年1月、政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会に提出する世界遺産暫定リストへの追加掲載が正式に決定した。日本の暫定リスト登録物件は9件で、同年に暫定リスト入りした「富士山」(静岡・山梨県)、「製糸富岡場と絹産業遺産群」(群馬県)などがある。