米国の保守的な福音派の指導者らが11日、ホワイトハウスの大統領執務室でドナルド・トランプ大統領と祈りの時を持った。トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都と公に認めることを発表した後のことで、エルサレムにある「シオンの友博物館」はトランプ氏に「シオンの友賞」を贈った。
ホワイトハウスを訪れたのは、家族研究評議会(FRC)会長のトニー・パーキンス氏、フォーカス・オン・ザ・ファミリー(FOTF)創設者のジェームズ・ドブソン氏、テレビ伝道者のポーラ・ホワイト氏、ダラス第一バプテスト教会牧師のロバート・ジェフレス氏、アフリカ系米国人牧師のハリー・ジャクソン氏、南部バプテスト連盟(SBC)元議長のジャック・グラハム氏、米カイロス・カンパニー社長のジョニー・ムーア氏ら。
パーキンス氏がクリスチャンポストの電話インタビューに応じたところによると、ホワイトハウスに隣接するアイゼンハワー行政府ビルで、昼食を兼ねたミーティングが行われた。参加者はその後、ホワイトハウス内にある大統領執務室に移り、トランプ氏らと15~20分の面会の時を持った。
ミーティングでは歳末報告が行われ、参加者は、マイク・ペンス副大統領やトランプ氏の娘のイヴァンカ氏、イヴァンカ氏の夫で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏らからも説明を受けたという。また、大統領執務室では、トランプ政権が今年実現した公約の項目を告げられ、最後にトランプ氏と共に祈って面会を終えたという。
面会後には記者会見が行われ、ドブソン氏は「素晴らしい会議でした」とコメント。「これらの福音派の指導者と彼らが代表する会衆の間には多くの愛があり、それを受けた大統領の側にも愛がありました」などと語った。また、パーキンス氏は会見で、トランプ氏が大統領選中に掲げた公約を守っていると強調した。
シオンの友博物館の創設者であるマイク・エバンス博士は、「これまでの歴史において、国連でユダヤ人を守るために、トランプ氏よりも多くのことを行った米国の大統領はいません」と述べ、評価した。
パーキンス氏によると、同氏ら福音派指導者のグループが大統領執務室でトランプ氏と面会するのは、今回で3回目。前回は7月で、参加者がトランプ氏に手を置いて祈っている写真を、ムーア氏がツイッターに投稿するなどしていた。
トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことは、米国の保守派や福音派内では歓迎する声が大きいが、一方で懸念を示す声もある。米カルヴァン神学校のゲイリー・M・バーグ教授(新約学)は、米アトランティック誌(英語)に、「トランプ氏のエルサレム宣言を拒否しても福音主義者たり得る」と題した寄稿を掲載。「メディアの報道からは、福音派はイスラエルに関して1つの見解だけを持っているような印象を受けるが、現実には幅広い観点がある」などと論じている。